ウェブアイデンティティ

多くの企業は、ウェブサイトを作る上で、事業間、部門間の対立に突き当たります。ウェブサイトのTOPページに何を掲載するのか、どのようなキャッチコピーを付けるのかを考えようとすると、事業の優先順位を明確にする必要があるためです。多くの企業はこれをあいまいにしたままウェブサイトを作ってしまうため、強いメッセージが打ち出せず、成果につながりません。この機会に、曖昧な経営戦略を見直し、事業の優先順位をつけて、ウェブサイトを通して社内外に宣言しましょう。

ウェブアイデンティティとは、ウェブサイトから見える企業のアイデンティティのことです。自社の顧客はだれか、提供する価値は何か、競合他社と何が違うのか、そしてそれらを支えるミッション、ビジョン、バリューは何か。これらが明確になることで、社外に強みが伝わり、社内のガバナンスが改善します。いわゆるウェブブランディングに近い概念ですが、さらに自社のフィロソフィーとのつながりを明確にします。

ウェブサイトは顧客や見込み客に対して自社の情報を提供するものですが、それだけではなく、株主、従業員、さらには従業員の家族への情報伝達の役割もあります。環境変化の激しい今、企業にも常に変化が求められており、従業員の働き方にも変化が必要です。しかし、多くの従業員は、自社がどこに向かっているのか、自分たちはどういう行動を求められているのか、ということを理解できていません。いろいろな指示やメッセージが飛んでくるが、一貫性が無かったり、その真意が分かりづらかったりしていませんか。変化の激しいときには、従業員とのコミュニケーションも密でなければならないのです。しかし、それこそ最も忙しいのは経営者ですから、コミュニケーションを密にすることは簡単なことではありません。そうなると、信頼関係が弱まり、指示をしてもその通りに動かない、というガバナンスの弱体化が起きます。

これを解決するために、効果的なのがウェブアイデンティティの確立です。つまり、自社の価値観や戦略をしっかりと言葉にして社会に対して発信することです。従業員にとって、自社のビジョンや、自分たちに求められている行動が明確になります。さらには、これを社会に発信することで、顧客やステークホルダーからそうみられている、という緊張感を持つことができます。ウェブサイト上で宣言している通りの自分でなければならない、と考えられるようになります。

価値観やミッションを定義することは大変難しいことです。特に経営者には大きな覚悟が必要です。しかし、せっかくウェブサイトを作るのであれば、このレベルの腹をくくったサイトにすることをお勧めします。

  1. ヒアリング
  2. 自社の調査・分析
  3. 従来のビジョン、ミッション、バリューの確認
  4. 新しいビジョン、ミッション、バリューの策定
  5. 新VIの策定
  6. ウェブサイトの企画・設計
  7. ウェブサイトのデザイン・制作
  8. 運用支援・フォロー